哀悼

ごく近い知人の
ご母堂が逝去された

通夜式に参列するため
会場入り

時間が来て
入り口から会場部屋へ入った瞬間

優しい目をした遺影の主から

言葉が発せられたような気がして
動けなくなった


「息子たちに
準備してもらったの」


そう自分には聞こえた


通常の花祭壇のうえに

みごとに爛漫の桜が
あしらわれている



次男夫婦と三男が
花き業界の仕事を
されていて

それを誇らしげに
そして少し
照れくさそうな優しい声が
たしかに聞こえた


花の手入れが
大好きだったという




謹んで
哀悼の意を表します

合掌


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